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Kyoto International Startup Nexus #1を開催しました
2026年4月25日、京都市とAALTO INTERNATIONALの共催で、オランダからのミッション団を迎えたマッチングイベント「Kyoto International Startup Nexus #1 – Tech for a Sustainable Future」を開催しました。
京都・大阪・名古屋圏の企業・スタートアップ・投資家が参加し、京都産業エコシステムの紹介、京セラCVCや第一工業製薬との共同研究事例の共有、オランダスタートアップ5社によるピッチ、ネットワーキングが行われ、48名が参加しました。持続可能な社会に向けた技術を軸に、日本とオランダの越境連携の第一歩となるイベントとなりました。
イベント概要
イベント名:Kyoto International Startup Nexus #1 – Tech for a Sustainable Future
開催日:2026年4月25日(土)14:00〜17:00
場所:〒606-0802 京都市左京区下鴨宮崎町119-1 Whatever SHIMOGAMOオフィス
主催:京都市、AALTO INTERNATIONAL株式会社
協力:在大阪オランダ王国総領事館、オランダ経済・気候政策省 企業誘致局
オープニング
京都市 産業観光局スタートアップ・産学連携推進室 森岡氏、塩山氏より、京都市は「新京都戦略(2026年3月改訂)」のもと、伝統産業・学術・先端技術が融合する独自のエコシステムを基盤に、半導体、バイオ、精密機械をはじめとする先端産業の集積地として、世界と社会にインパクトを与えるスタートアップの創出・成長を重点施策としていることが紹介されました。
続いて、本イベントに際して、在大阪オランダ王国総領事館 Sandra Pellegrom総領事よりご挨拶をいただき、オランダ経済・気候政策省 企業誘致局 Edo de Ronde駐日代表からは、日本市場への期待と技術連携の可能性についてご紹介いただきました。オランダは、日本と長い交流の歴史を持ち、現在もASMLやPhilipsなどの世界的マーケットリーダーを擁しながら、GDPの2.3%をR&Dに投じており、ライフサイエンス・クリーンテック・ハイテク製造・XR・AIなど多様な先端技術クラスターが各地域に根ざしていることも言及されました。
オーガナイザーセッション
AALTO INTERNATIONAL株式会社 CEO 福井麻里子
ー京都産業エコシステムの紹介
世界的なグローバルニッチ技術企業を擁する京都の産業の特徴と構造についての知見を共有しました。村田製作所、京セラ、ローム、島津製作所などとのプロジェクト実績から技術的な相補性、長期的なコミットメント、信頼を基盤とした関係構築をベースに、京都企業と海外企業の連携のありかたに関して紹介しました。
京都エコシステムセッション
EVER株式会社CEO 都地 耕喜
— 京都 × オランダの協働可能性
https://whatever-shimogamo.com
オランダと日本との協働可能性に関する洞察をいただき、Whatever SHIMOGAMOに位置するウェットラボを備えた研究・実証拠点SHARE LABについて、ビデオメッセージでご紹介いただきました。
京都企業セッション
SHARVIL CEO Shreshth Sapra
— 日本市場参入における実践的知見
2017年に来日し、京都大学を卒業し、京都でIT・事業開発におけるソリューションを提供するSHARVILを創業したShreshth Sapra氏より、海外企業の日本市場参入に関する洞察について発表いただきました。
京都企業CVCセッション
京セラ株式会社戦略企画本部 新城 綾樹
— 京セラにおけるCVCの取り組み
京セラCVCチームの新城氏より、2024年に米国で設立したKyocera Venture Fund-I(total $60 million)を含むCVCファンドについてご紹介いただきました。環境・エネルギー、オートモーティブ、医療・ヘルスケアなどを投資領域とするアーリーステージスタートアップへの積極的な投資展開についてご紹介いただきました。
京都共同研究セッション
第一工業製薬株式会社 永谷 悠
—京都大学、EVER SHIMOGAMOとの共同研究
https://www.dks-web.co.jp/
京都を拠点とする第一工業製薬永谷氏より、ライフサイエンス分野でウェットラボ機能をWhatever SHIMOGAMOで補完しながら、京都大学と連携してライフサイエンス研究を推進する取り組みをご紹介いただきました。
関西マーケットインサイト
encognize COO Brian Lim— 関西VC・CVC動向と海外スタートアップの参入機会
https://www.encognize.com/
大阪を拠点に活動するencognize Lim氏より、日本のスタートアップ投資環境、日本を俯瞰した都市別のスタートアップエコシステムの特徴について共有いただきました。特に、関西のエコシステムがDeepTech・FoodTech・バイオ分野で独自のポジションを確立していることや今後の課題などについて、紹介いただきました。
■ 5社のオランダ企業ピッチ
続いて、オランダのスタートアップ企業に事業プレゼンテーションをしていただきました。各社日本市場における具体的な連携パートナーや活用シーンをふまえた日本での事業化意欲にあふれた発表となりました。
◆ Kalpana Systems|先端材料・製造装置
https://www.kalpana-systems.com/
原子1層の精度で薄膜コーティングを大量生産できる独自技術「Spatial ALD(空間原子層堆積)」を開発するDeepTech企業。太陽電池・EV電池・フレキシブルOLEDへの応用展開を進めており、2021年にロッテルダムで創業し、これまでに€10Mを調達。現在スケールアップに向けた戦略的パートナーを探しています。
◆ Saddle Point Science Europe|精密医療・個人適応AI
http://www.saddlepointscience.eu/
「精密医療のための透明なデータサイエンス」を掲げ、医療データの高度解析による個別化医療の支援、デジタルツイン技術を活用した個人適応型AIエンジン「PAM(Personalized Ability Manifold)を展開。医療リハビリ・認知トレーニング・フィットネス・エンターテインメントゲームにおける難易度をリアルタイムで最適化します。
◆ Scenwise|モビリティ・都市インフラ
障がい者・高齢者向けの屋内外統合ナビゲーションプラットフォーム「GUIDE」を開発。GPS非対応の屋内環境でも機能する適応型ナビゲーションAIと障害物検知を組み合わせ、移動全体をシームレスに支援。日本では交通インフラ事業者・空港・自治体・大型商業施設・不動産デベロッパーとの連携を想定しています。
◆ StandIn|チームコラボレーション
タイムゾーンを超えたグローバル分散チームの「コンテキスト管理インフラ」。退勤前に担当者が業務状態を自ら記述し、別のタイムゾーンからの質問には記録された事実のみを出典付きで返答します。
◆ Wonderment by Design|XR・インタラクティブ体験
アムステルダム拠点の没入型体験デザインスタジオ。あらゆる画面をインタラクティブなファン体験に変える「Wonderwall™」を展開し、ライブアクティベーション、大型イベントなどへの導入を想定。IPパートナー(キャラクター・世界観を持つ企業)および会場パートナー(商業施設・博物館・スタジアム等)を積極的に募集しています。
スタートアップピッチの後は、参加者全員でネットワーキングを行いました。企業同士がそれぞれの事業や技術に対する敬意と関心を示しながら、交流を行う時間となりました。
イベントを終えて
AALTOは、企業・自治体・大学などと12年間にわたり協働を重ねるなかで、京都が「卓越した知」と「グローバルニッチ技術」を生み出す場所であると同時に、それらをさらに世界と接続するためには、越境して協働を推進するBoundary Spannerの存在が不可欠であると感じてきました。
今回、京都とオランダがともに成長産業として見据えている分野における親和性を見出し、京都の産官学金融が連携するエコシステムに国際越境という視点を掛け合わせることで、協働を生み出す最初の一歩を踏み出すことを目標としました。
AALTOは「みんなで共に、その先の世界を創る」をミッションに、日本の企業・大学・自治体と海外の公的機関・先端技術企業との連携を促進し、越境協働が生まれ、育ってゆく環境の醸成に取り組みます。
AALTO INTERNATIONAL株式会社 CEO 福井 麻里子