スイス・ビジネス・ハブ 投資促進部 ニュースレター 2023年4月号

例年にない早さで花をつけ長く楽しむことができた桜も舞い散り、新年度を迎えられた日本企業の皆さまにとりましては心新たな日々をお過ごしのことと存じます。

スイス・ビジネス・ハブ 投資促進部ではアフターコロナの活動が本格的に強まり、スイスへの視察やスイスからの来訪などの応対が活発化しています。これまで収集してきた情報の活用や企画の実現に向けて多くの日本企業が準備を進めているなか、スイス側もその期待や疑問に応えるべく基盤を整えています。本ニュースレターではディープテック、ブロックチェーン、サステナビリティ関連エコシステムの最新情報とともに、様々な媒体で紹介されるスイスのビジネス本質などをご紹介しています。テクノロジーからビジネスマインドまで、多角的なスイスの情報をぜひ貴社の事業発展にご活用ください。

本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

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INVESTMENT NEWS

欧州内でも際立つディープテック・エコシステム
2022年のベンチャーキャピタルによるディープテック企業への投資額の国別比較において、スイスは他欧州諸国より高い割合で投資を行っていることがわかりました。さらに欧州全域の大学スピンオフ企業の価値創出の比較では、スイス連邦工科大学チューリヒが首位の座に輝いています。

スイスのブロックチェーンエコシステム、日本企業も続々参加中
クリプト関連企業数1,135社以上、業界内雇用者数5,766人以上、業界内ユニコーン企業数9社、暗号資産取扱い銀行数2行。これが、現在のスイスにおけるブロックチェーンを取り巻く環境です。

シンへリオン、産業用太陽電池燃料プラント建設に向けて新たな資金調達
シンへリオン社が新たな資金調達ラウンドで2200スイスフランの調達に成功しました。スイス航空を新たな投資家として迎え、産業用太陽電池燃料製造プラントの建設に投入される見込みです。

CKWが持続可能なデータセンター開設
CKW Fiber Servicesが、チューリヒ経済圏に各種事業会社やICTサービスプロバイダ向けの新規データセンターを開設しました。建物の屋根とファサードにはソーラーパネルが設置されており、スイスでも高まっている持続可能でエネルギー効率の高いデータセンターへのニーズに応えた近代的な施設になっています。

デジタル市債発行でルガーノが先駆的役割を担う
スイス・ティチーノ州ルガーノ市は、スイスの証券取引所のSIX Digital Exchangeを通じて、ブロックチェーン技術を基盤とした1億スイスフラン相当のデジタル市債を発行しました。 この世界初となる取り組みにより、ルガーノは、デジタルイノベーションとDXの促進を目指すイノベーション・モデルの強化を進めています。

世界最長都市型ドローン配送ルート、チューリヒで始動
商用ドローン製造に従事するMatternet社（本社:米国・カリフォルニア州）は、スイス・チューリヒに立地するTriemli病院とWaid病院間おける診断用サンプル輸送に同社の配送用ドローンシステムを使用しています。この配送ルートは都市部におけるドローン配送の世界最長ルートとなり、将来的には欧米内の各都市における雛形として活用していく見込みです。

HSGスピンオフが経済活性化に貢献
近年、ザンクトガレン大学（HSG）からのスピンオフ企業は急成長を遂げ、6,000人以上の雇用を創出しています。「HSGスピンオフ・バロメーター2022」の調査によるもので、対象となった171社のスタートアップの多くがサステナビリティに強い関心を寄せています。

世界でも優れるスイスの教育制度
英国の高等教育コンサルティング会社Quacquarelli Symondsが発表した最新の世界大学ランキングによると、スイスの大学32校がさまざまな分野で世界トップ10に名を連ねています。全科目のトップ10に入る大学のうちの6%をスイスの大学が占め、多くの科目で高い質の教育を提供していることがわかります。

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INNOVATION NEWS

スイス・イノベーション・パーク・イノヴァーレが光学システムの技術移転センター新設
ポール・シェラー研究所と提携機関は、スイス・イノベーション・パーク・イノヴァーレに新しい技術移転センター「Swiss Photonic Integration Center」の設立を発表しました。量子コンピュータの開発など、光学システムインテグレーション分野で産業界に貢献することを目指しています。

EPFLが新設の高地極地研究所「ALPOLE」を公開
ヴァレー州シオンに位置するエナジーポリス・キャンパスに、高地極地環境の研究開発拠点となる新施設「Alpole」が開設されました。

ヌーシャテル州で鉄道向け持続可能な電力生産の試験運用へ
スイス企業Sun-Wayは、スイスの鉄道システム全般を太陽光発電による稼働させる目標を掲げ、ヌーシャテル州で試験運用を開始します。数ヶ月後には大きな成果をもたらす可能性があり、期待が寄せられています。

HOLCIM社がセメント輸送に電気トラックを導入へ
スイスの建設資材メーカーのHolcim社は、電気トラックを追加導入により、持続可能な輸送ソリューションの幅を拡大して運営しています。同社はHugelshofer Logistik社製の電動車両を利用し、トゥールガウ州に立地するコンクリート工場へのセメント供給をゼロエミッションで実施します。

2022年も特許出願が盛んなスイス
スイスは2022年の欧州特許庁へ9,008件を特許出願し、人口比の出願数では再び世界首位となりました。出願総数では世界7位となっています。

スポーツテックこそスイスで
スイスには多くのスポーツ連盟や国際団体が拠点を構え、スポーツテック企業やスタートアップ企業にとってダイナミックな環境を提供しています。

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PUBLICATION

オープンイノベーション活動の基本とスイスにおける協業パートナーの探索
スイス・ビジネス・ハブのイノベーション・アドバイザーでもある羽山友治氏が月刊誌「研究開発リーダー」に寄稿し、「オープンイノベーション活動の基本とスイスにおける協業パートナーの探索」が掲載されました。

スイスの「クオリティ戦略」と日本への示唆
野村総合研究所が発行する「知的資産創造」2023年3月号で、スイスが特集されました。

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EVENT

2023年5月25日開催 OPEN INNOVATION SEMINAR - イノベーション大国 スイスの全貌　
スイス・イノベーションに属する3つのパークからオープンイノベーション担当者が来日。新たなネットワーク構築の機会をご活用ください。

2023年6月13日開催（予定）Ernst＆Young共催　欧州イノベーションセミナー（仮称）
欧州内の英国、オランダ、ドイツ、スイスの4ヶ国に焦点を当て、イノベーションを軸に欧州事業展開の可能性を模索します。詳細はスイス・ビジネス・ハブのウェブサイト上に更新します。　

2023年7月13日開催 一般社団法人企業研究会主催 「新しい技術経営を考える会」
スイス・ビジネス・ハブ 投資促進部 イノベーション・アドバイザー 羽山友治氏登壇セミナー

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PARTNERSHIP WANTED

FUTURAE
スイスのフィンテック・サイバーセキュリティスタートアップFUTURAEが、フィンテックカンファレンス「FIN/SUM2023」でSBI Group Award (副賞：SBIインベストメントによる1億円の出資交渉権)を受賞しました。最高のユーザー体験とセキュリティを実現する最新の多要素認証ソリューションには日本企業からも多くの関心が寄せられています。

Nanogence
コンクリート製品の品質・性能を維持しつつセメントを削減する革新的な触媒技術で-25％のCO2削減を実現します。

FUTURAE社、Nanogence社は日本企業とのパートナシップを希望しています。両社に関するお問い合わせはスイス・ビジネス・ハブ（担当：木島　yumiko.kijima@eda.admin.ch）まで。