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電動トライアルバイク「TY-E」が世界に挑戦! Yamaha Motor Newsletter (July 5, 2018 No. 65)
自動車のEV化が進むなか、2002年に小型スクーター「Passol」を発売して先鞭を付けたヤマハ発動機。現在も「E-VINO」の販売・普及活動を続けながら次のステップに向けた取り組みを進めていますが、その一方、社員の自発的な研究・開発を支援する活動のなかから、EV開発の課題である「コンポーネントの高出力小型軽量化」「意のままに操れる運転のしやすさ」を克服する試みとして、本格的な電動トライアルバイクが誕生しました。今回の話題は、その開発に至るショートストーリーです。
また編集担当者からもう一本、社員の健康維持・増進に効果を挙げ、グローバルに広がりつつあるストレッチ運動のムーブメントについてもご紹介します。
TY-E:電動でエンジンに負けない競技車両を!
3月末、東京ビッグサイトで開催された「東京モーターサイクルショー2018」のヤマハブース。そこでひと際注目を集めたのが、電動トライアルバイク「TY-E」です。詰めかけたファンから「競技車両としてのポテンシャルは?」という問いかけに、その発案者であり、リーダーとして開発プロジェクトを牽引してきたEM開発統括部の技術者は「エンジン車と真っ向勝負する。そして、勝つ。そこを目指して取り組んできました」と胸を張って答えました。
トライアルとは、岩場や林間など、自然の地形を利用して作られた難所にオートバイで向き合い、足をつかず、限られた時間内で各セクションを走り抜ける競技です。まるで野生動物のような運動性能が求められるため、トライアルの専用車両は一般的なオートバイと比較するとご覧のように極めてスリムなシルエットをしています。
東京モーターサイクルショー2018のプレスカンファレンスで発案・開発リーダーが自ら「TY-E」をお披露目した
Evolving R&D:意欲が生む新機軸
じつはこの「TY-E」、従来の開発プロジェクトとは一線を画すプロセスを経て誕生しました。
ヤマハ発動機の研究部門には、通称5%ルールと呼ばれる「エボルビングR&D活動」という制度が存在します。これは、事業に直結した日々の研究活動とは別に、5%の時間とエネルギーを業務にかかわりのない研究活動に使おうというもの。自発的・自律的な研究活動を通してエンジニアとしての幅を拡げ、そのエネルギーでイノベーションを創出していこう!という取り組みです。「TY-E」の発案・開発リーダーは、プライベートタイムにトライアルを楽しむライダーで、この制度を利用して「世界で戦える電動トライアルバイクにチャレンジしよう」と試みたわけです。
「電動二輪車の最も大きな課題は航続距離。しかし、トライアルは長い距離を走る競技ではありません。そこを割り切ることで、競技で必要とされる低速トルクの立ち上がりや発進時の機動性にリソースをかけることができる。EVはトライアルという競技に向いているのではないか……。そんな考えを以前から抱いていたんです」
それはやがて、プロライダーの走行実験によって確信に変わりました。複数のエンジン車と乗り比べてテストを行った結果、「意のままに操れる運転のしやすさ(ドライバビリティ)」といった項目では、電動「TY-E」が最も良いスコアを記録したのです。
こうしたステップを経て、その完成度の高さに社内からの期待が高まると、開発リーダーのもとに嬉しい報せが届けられました。「FIMトライアル選手権 TRIAL Eクラス」への出場です。2017年からスタートした同大会は、今年7月中旬にフランスとベルギーで2戦の開催が予定されており、「TY-E」は全日本選手権のファクトリーライダー黒山健一のライディングで出場することが決まったのです。そのヒノキ舞台には、もちろん開発リーダーも同行する予定です。
「長く研究部門に籍を置いてきて、日々の研究成果を市販モデルにまで結びつけることの難しさを感じていました。今回の車両は、先進的な技術と研究成果をそのまま世界にぶつけることができる。そこに喜びを感じます」
クリーンでサイレントなEVなら、これまで山深い場所で行われていたトライアルを、インドアでも楽しめる新しいスポーツに発展させられる可能性も秘めています。トライアルの、そしてEVの未来を切り開く「TY-E」の挑戦にご注目ください。
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二輪車部品の鋳造・溶接・塗装などを担うハノイ郊外のYMVNソクソン工場。製造の現場で働く皆さんにとって、5分間の「Revストレッチ」は毎日の習慣、一日の始まりになくてはならないものとなっている
当社の「Revストレッチ」が、「日本語はもちろん、英語、スペイン語、中国語、ベトナム語版を作成し、海外の従業員に向けても積極的に展開している」ことが評価され、一般社団法人生命保険協会が主催する「スポーティライフ大賞」(後援:スポーツ庁、日本教育新聞社)企業部門の優秀賞を受賞しました。
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