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【ニュースレター】大豊作です! ヤマハの田んぼ、収穫の秋
きっかけは「自分たちで米を作ってみろ」
ラグビーワールドカップで日本中がわき返った10月初旬、青空を見上げながら「台風の影響を避けられてよかった」と胸をなでおろしていたのは、当社・UMS※統括部の武内真一さん。ここは浜松ロボティクス都田事業所(浜松市北区新都田)からほど近い、鈴木農園さんの一角。周りにはまぶしく金色に輝く稲穂の波が広がり、しばらくすると、三々五々、軍手・長靴姿の当社社員たちが集まってきました。そう、この日は待ちに待った水稲実証試験ほ場の稲刈りです。
「当社の産業用無人ヘリコプターやドローンは、農業が原点であり、事業の柱。だから営業もサービスも技術も、みんな全国の田んぼに足繁く通い、現場の声を聞きながら仕事をしてきました。ところが昨年、上司である統括部長から、こう言われたんです。『ヤマハの強みは現場をよく知っていることだが、自分でお米を作ったことはないだろう? やってみたらどうだ』とね」
さっそく武内さんは伝手をたどって米作りの名人、故・鈴木良紀さんと息子・康央さんの協力を取り付け、3.5反(0.35ha)の田んぼを確保。同時に社内の有志を募って、今春、自分たちの手による米作りをスタートさせました。
「農家の皆さんのご苦労を共有できた」と武内さん
産業用ドローンの実証実験も
「経験も農機もないけど、やる気は満々。鈴木さんのお手伝いという形で、田起こしから田植えなど、すべての作業を一所懸命やりました」
その一方、当社のドローン「YMR-08」でセンシングや薬剤散布、追肥などを行い、水門には自動水位管理装置も設置。製品開発のためのさまざまな実証試験もしっかり実施できました。
「一番苦労したのは草取りです。ちゃんと除草剤を撒いたのに、水抜けが早くて薬の効果が足りず、田んぼの中まで雑草が出てしまいました。そうなると、もう手で抜くしかない。この夏は10日間近く草取りに追われてました」と、苦笑い。
「でも、ここの米は出来がよさそうだと、鈴木さんに褒められました。収量も白米で1.5トン以上を見込んでいます。静岡の特A級ブランド米『にこまる』ですから、おにぎりにして食べるとおいしいですよ」
ただし、収穫したお米がすぐ食べられるわけではありません。この後、乾燥、籾摺りといった工程を経てようやく玄米ができるのです。「その時はまた体験会をやりたいですね。そして、最後の締めは試食!」
収穫されたお米は、11月28・29日に開催される「第16回お米日本一コンテスト in しずおか」に鈴木さんの名前で出品されることになっており、その結果も楽しみなところです。
新入社員も鈴木さんの指導でコンバインを操作
※UMS=アンマンド(無人)システム
産業用無人システム
https://www.yamaha-motor.co.jp/ums/
事業として米作りを行うには認可が必要なため、地元のベテラン生産者の全面的な支援・協力を得て実現した当社の水稲実証実験ほ場。体験会やマルチローター(通称ドローン)の技術試験などを行いながら、当社社員有志が田植えから稲刈りまで大切に育ててきました。「現場を深く知っている」という当社の強みを体現するUMS統括部の取り組みです。 (畠山 貴之) |