【ニュースレター】開発現場の課題から発展した「VR酔い研究」
広がるVR技術の活用領域と課題
アミューズメントパークのアトラクションや、自宅で楽しむ映画・ゲームといったエンタテインメントの分野、また自動車教習所の教習や住宅会社による設計図面の仮想体験など、VR(仮想現実)技術の活用領域が広がりを見せています。しかし、その一方で、VRを体験した人が車酔いにも似た「VR酔い」を引き起こす症例が多数報告されており、さらなるVR技術の発展・普及に向けての課題の一つになっています。
「エンジン音と、振動の大きさやタイミングを同期させるとVRを含む一人称視点での映像酔いを大幅に低減できる」――。5月中旬、そうした研究の成果をネイチャーリサーチ社のオンライン科学ジャーナルに発表したのは、静岡大学(板口典弘助教・宮崎真研究室)と当社の共同研究グループ。「VR酔い」は学術界でも関心の高い研究領域だけに、この論文は世界中の研究者や技術者から大