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岡本裕生選手がYZF-R9とスーパースポーツ世界選手権2年目のシーズンに挑む
ヤマハ発動機株式会社は、岡本裕生選手と契約を延長し、2026年も「Pata Yamaha Ten Kate Racing WorldSSP Supported Team」から「YZF-R9」でスーパースポーツ世界選手権(WorldSSP)に参戦することを決定しました。
岡本選手は2024年、「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦した全日本ロードレース選手権の最高峰クラスJSB1000でチャンピオンを獲得し、2025年から自身初の世界選手権となるWorldSSPへのフル参戦を開始しました。
開幕戦のオーストラリア大会直前に行われたテストで他車が流出したオイルに乗って転倒し怪我を負って開幕戦を欠場した岡本選手は、続く第2戦ポルトガル大会から参戦。シーズンではチームと力を合わせ、「YZF-R9」とピレリタイヤという初のパッケージで走行経験のないサーキットに果敢に挑み続け、第4戦イタリア大会レース2の14位を最高に、ランキング30位でシーズンを終えました。
来シーズン、岡本選手のチームメイトは、今年WorldSSPでチャンピオンを獲得したステファノ・マンジ選手に変わり、シーズン6勝をあげるなどランキング2位を獲得した若手のカン・オンチュ選手に決定。強力なチームメイトから多くを吸収しながら、2025年からのステップアップを目指します。
また2026年のWorldSSPに参戦するヤマハチームの体制も続々と決定。まず、新チームとなる「AS Racing」からは、2020年Moto3世界選手権のチャンピオンであり、2021〜2025年までMoto2世界選手権に参戦してきたアルベルト・アレナス選手。2024年のスーパーバイク300世界選手権のチャンピオンで、今年からWorldSSPに参戦を開始、怪我により第9戦以降を欠場しながらランキング17位を獲得した、アルディ・スティア・マヒンドラ選手が2年目のシーズンを迎えます。
「GMT94 Yamaha WorldSSP Supported Team」からは、今年ランキング7位のルーカス・マヒアス選手とランキング15位のロベルト・ガルシア選手が継続参戦。来シーズンも「YZF-R9」を駆るヤマハチームは一丸となり、ライダー、マニュファクチャラー、チームの三冠達成を目指します。
2026年のWorldSSPは、2月20〜22日のオーストラリア大会で開幕し、10月16〜18日スペイン大会まで、全12戦が行われる予定です。
岡本裕生選手
「今年は開幕戦の直前に怪我をし、シーズン半ばにも大きな怪我をしてしまいました。また初の世界選手権であり、マシン、タイヤ、チームが新しく変わり、サーキットもはじめてのものばかり。その初の環境にうまく適応できず、厳しく、悔しいシーズンになりました。それでも、一つの目標であった世界選手権に参戦し、欧州各地のサーキットで多くの経験を積むことができたため、もっと成長したいという気持ちでいっぱいです。だからこそもう一年、参戦のチャンスをいただけたのは心から嬉しいです。
2026年シーズンもライバルは強力ですが、YZF-R9のポテンシャルは証明されているので、あとは自分次第。今年は叶わなかった毎レースでのポイント獲得はもちろん、ヤマハやチーム、ファンの皆さんに成長を示すことができるよう、自分なりに積み上げてきた経験を活かし、シーズンオフの期間にしっかり準備して来年の開幕戦に備えます。引き続き応援のほどよろしくお願いします」
小野哲:MS統括部 MS戦略部長
「開幕直前に怪我がありましたが、ルーキーの岡本選手にとっては苦しいシーズンとなりました。そして2年目は、この1年間の経験をどう活かすが重要になります。それは岡本選手に限らず、同じくルーキーとしてWorldSSPを戦ったアルディ選手もしかりです。世界の壁は高く簡単には乗り越えることはできませんが、特にアジア勢となる二人には、この1年の経験を活かしてこの壁を乗り越えて欲しいと思っていますし、それができるライダーであると信じています。
当社は近年、Yamaha R3 BLU CRU Asia-Pacific Championship、日本独自に行っているYAMAHA YZF-R3スカラシップを通じ、毎年アジアから数人のライダーを欧州に送り込んでいます。これはアジアの潜在的な若いライダーにとって憧れとなるローカルヒーローを生み出し、モータースポーツの普及などを視野に入れた戦略的な人材育成プログラムです。岡本選手とアルディ選手には、欧州に集まるアジアの若いライダーたちにとってのロールモデルとしての役割もあるので、WorldSSPで活躍してもらえるように、引き続き支援を続けていきます」