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MotoGP世界選手権 2026年シーズンから「YZR-M1」にV4エンジンの採用を決定

 ヤマハ発動機株式会社は、2026年シーズンから当社のMotoGPマシン「YZR-M1」にV型4気筒エンジンを搭載することを決定しました。この決定は以前から表明していた方針に沿うものであり、当社のエンジン開発戦略における継続性と透明性を裏付けることとなります。

 直列4気筒エンジンは、当社のレーシングアイデンティであり、象徴的な存在として数十年にわたり採用してきました。俊敏性とスムーズなパワーデリバリーにより、バレンティーノ・ロッシ選手やホルヘ・ロレンソ選手、ファビオ・クアルタラロ選手などの伝説的ライダーたちに力を与え、数々の成功をもたらしました。グランプリ出場回数は429回を数え、優勝回数125回を含め表彰台獲得数は352回を誇ります。そしてライダータイトル8回、チームタイトル7回、コンストラクターズタイトル5回、MotoGP三冠を5回、達成しました。

 しかしながらMotoGPの進化に合わせ当社は、自らのDNAを守りながら新たな技術的要求に適応することに挑戦しています。この度のV4エンジンへの移行は、パフォーマンスとイノベーションの追求において非常に大きな節目となります。新たなエンジンレイアウトにより、加速性能やブレーキング時のハンドリング、最新のタイヤと空力条件への適応性などの向上が期待されます。2025年シーズンを通して進めてきた迅速な開発プロセスは、MotoGPテクノロジーの伝統に敬意を払いながらその最先端に立つという当社の決意の表れです。

 2025年シーズンの最終戦バレンシアGPをもって、当社の直列4気筒エンジンはその長い歴史に幕を下ろしました。新たな時代へと踏み出すにあたり、11月18日(火)のバレンシアテストではヤマハMotoGPライダー全員がV4エンジン搭載のマシンを走らせます。エキサイティングな新たな章の幕開けです。


鷲見崇宏(ヤマハ発動機MS統括部MS開発部長)
「直列4気筒エンジンは数十年にわたり、ヤマハのモノづくりの哲学の中心にありました。いくつもの記憶に残る勝利をもたらし、精密さとコントロール性において高く評価されてきました。このエンジンが成し遂げてきたこと、そしてこのエンジンで歴史を築いてきてくれた歴代のライダーたちを誇りに思います。その全員がともに手を携え、私たちのレースの伝統を作り上げてきたのです。しかしながらMotoGPは絶えず進化しており、私たちも進化していかなければなりません。V4エンジンはヤマハの新たな章のはじまりを象徴するもので、私たちが頂点に立つために必要なチャレンジ精神とレーシングDNA、技術的ソリューションを融合したものです。目標はいつも同じです。ライダーに最高のマシンを提供し、世界中のファンに“感動”をお届けすることです」

マッシモ・バルトリーニ(Yamaha Factory Racing MotoGPテクニカル・ディレクター)
「V4エンジンの採用は簡単に決定されたものではありません。ご想像の通り、開発プロセスは広範囲におよびました。加速性能からコーナリングの挙動まで、パフォーマンスのあらゆる要素を分析し、このエンジン形状こそが我々の期待に応え、アドバンテージを生み出すものだと結論づけました。2025年シーズンに行ったワイルドカード参戦を通じて確信を得ることができたのです。
V4は未だ開発の初期段階であり、これからも進化を続け、再びトップレベルで戦うために必要な力を与えてくれるでしょう。直列4気筒からV型4気筒への転換はヤマハにとって大きな前進であり、2026年シーズンに向け、磨き続けた真のフルポテンシャルを発揮することを目指します。この度のV4投入は戦略的にも重要で、2027年のレギュレーション変更においては、このエンジンレイアウトがマシンレイアウトやエアロダイナミクスの開発面で優位性をもたらすことでしょう」

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